不思議な子 その5
燃えるような赤い髪を後ろでおとなしく束ね、耳元には小さな色石のピアスまでつけて、彼女は控えめに、少し窮屈そうにカメラの方を向いていました。
あれほど超然とした存在感、遊牧民族のような自由と大胆で私たちを圧倒したあの日の彼女はいったいどこへいってしまったのでしょう。
彼女に会うのがもしも初めてだったら、あの屋根裏部屋ー砂漠の中のテントみたいに白くて気ままなあの牙城は、今日の様子からはまったく想像もつかなかったでしょう。
つまり、ことはそんなに単純ではなかったということです。
花嫁に祝福のキスを送るローリーの様子を見ながら、私は人間のタイプということを思いました。
「絵に描いたような一貫したイメージ」などというものはやはりしょせんは作り事にすぎないのです。
ローリーは、おそらく自分でも気づかない、そしてたとえ気づいたとしても処理することのできないたくさんの矛盾を抱き、見ながら、あの小さな城でそれでも何とか「自分の世界」のようなものを築こうと手当たり次第に本をむさぼり読み、光を求めて窓から窓へと移動を繰り返すのでしょう。